教師塾 blog

思慮深く、大胆に書きます。

『「普通がいい」という病』第1講 読書感想part3

・葛藤、悩むことの意味

悩むという状態は、苦しみも伴うこともあります。

今日のご飯は、カツ丼か、親子丼かという幸せな悩みもありますね。

葛藤自体は、自然な状態であると著者は言っています。

葛藤とは、アタマ由来のことと、ココロ由来のことで揺れている状態のこと。

葛藤自体を楽しめればいいのですが、そんな楽しめる内容でないときは、

アタマ由来のことが、ココロ由来のことを押しつぶしてしまう。

そうすると一時的には悩まずにスッキリするような気もしますが、

ココロの声を聞けていない状態が続きます。

それがずっと続くと、頑張りたいのに元気が出ない。

エネルギーが枯れてしまい、鬱状態に入ってしまうというのです。

「病的な安定」と「健康的な不安定」について書かれている節の紹介でした。

 

・「癒しという誘惑」

世の中では「癒し」という言葉が流行っているけど、曖昧な言葉ですね。その人間を変えようとする力がないし、生ぬるいお湯に何時間も使っているように、今のまま気持ちよくとどめようとするだけで、自立の意識を殺すものが多い。美術にとって必要なことは自立なんです。人を救うということは、人を自立させることだと思う。

横尾忠則『横尾流現代美術』より引用された文章が記載されています。

癒しに隠された要素をあぶり出す文章のように感じます。

どれだけ、自分が不遇な環境にいたとしてもそれを打開するのは自分。

人の成長に携わるなら自立を見据え関わることを念頭におかなければなりません。

その人の成長のために、その人が踏まなければならないステップを一つでも踏ませず助けてしまえば、それは違ったものになってします。

そのバランス感覚を忘れてはいけないです。

 

次回は2章に入ります。